世界が終わる前に
「いや……とにかく、んな事いちいち気にすんなよ」
「……あの?」
「だから、あんたと俺はもう“知り合い”なんだから、別に今さら理由もクソもねェだろ?」
「……」
なんかこの人……言ってる事がめちゃくちゃなんですけども!
いくらなんでも横暴すぎません!?
ていうか。
意味が、わからない。
理由は言えない(正しくは言うつもりがない。)って何……?
彼の理解不能な言葉に思考がぐるぐると掻き回されて、上手く機能してくれない。
もう既に私にはこの時点で、キャパシティーオーバーだ。
だけど――…
「あー……悪い、タイムオーバーだ」
言いながら酷くバツが悪そうに顔を顰めた彼は「またな」と、席を立ち上がるなり足早に去っていってしまった。
見事に置いてきぼりを喰らった私は、独りぽつんとそのままの体勢でフリーズした。