世界が終わる前に


そして。

母の熱心過ぎる家庭教育も虚しく見事“中学受験”に玉砕した――“みにくいアヒルの子”の私は、近所でも至って“真面目”だと定評のある公立中学へと入学を果たした。



もちろん、母には散々文句や愚痴を聞かされ続け、受験から解放されても私の気分が晴れる事などなかったのは、言うまでもないだろう。



そんな“出来損ない”の私の中学生活。


我ながらまさに“平凡”そのものだったと思う――。



初っ端の、まだ慣れない一年生の頃から委員会や部活にしっかり精を出し、二年生からは生徒会なんかもやったりした。



全ては我が家のボスの厳しい家庭教育の通り“高校受験”――“将来”――のために。



安定した、保障された、輝かしい“未来”を掴み取るために。


< 9 / 202 >

この作品をシェア

pagetop