君と私とときどき君と
ここは新撰組屯所です。
「ささ、入ってください。」
「わかってますって。あ、ちょ、押さないでください!」
「土方ァァァァ!!土方はいますかァァァァ!」
屯所にはいるなり、男の人は手をメガホンの形にして大声を上げる。
すぐさま実瑠は耳に手をあてる。
「総司てめェェェェェェ!上司を馬鹿にするのもいい加減にしやがれ!!!」
そういって走ってきた土方と呼ばれた人は、先ほどの男の頭を叩く。
「あ、総司さんていうんですかー!苗字ってなんていうんですか?」
「沖田ですよ。気軽に沖田様とでも呼んでください。」
「ぜんっぜん気軽じゃないよねそれ!!!むしろ上下関係定着?!」
「で。総司誰だコイツ。」
「指ささないでください。」
実瑠は土方という男を露骨に睨む。
「ああ、道端で拾ってきた変な人ですよ。」
「私は捨て犬か?!シバくぞおのれえええ!!!」
「で、誰だこいつ。」
「だから道端で」
「名前は?」