最愛の人
無我夢中で泣き叫んでいる私に誰かが手を差し延べている。
私は手を伸ばしたが置いつけなかった。
なにかに躓いて私はふと周りを見ると幸せそうな夫婦がいた。
その夫婦は私に気付き近づいて来る。
女の人が私の目の前に座り話しかけて来た。
「どぉーしたの?痛いの?」
優しいそうな女の人。
男の人も優しいそうな人で私の横に座り頭
を撫でてくれた。
「痛いね。でも大丈夫だよ?」
私は意味がわからないままだった。
誰だろう。
この人達。
てか、ここは何処?
私は何をしているのだろう?
「痛くないです。それよりここは何処ですか?」
私がそう尋ねると二人は顔を会わせ答えた。
「ここは夢の世界でもあるし死の世界でもある。貴方はまだ来るには早すぎるわ」
そう言って二人は消えて行った。
私は目が覚めた。
私が起きたら看護婦さんは笑って言った。
「おはよう。輝愛ちゃん明日退院だね!おめでとう!!」
看護婦さん。
ありがとう…。
て。
退院?!
聞いてないし!
まぁ。
看護婦さんもいい人だから許すか。
「ありがとうございます」
私は軽くお辞儀をして検査を済ませた。
看護婦さんは以外にも優しくしてくれた。
誰もいない病室。
シーンと静まり返る部屋に私は泣きそうになった。
コンコン。
部屋のドアを叩く音がなった。
私は泣きたい気持ちを抑えながら返事をした。
ドアが開いたその先には愛しの直孝が立ったいた。
私は思わず涙が出た。
直孝は慌てて涙を拭いた。
「どぉーしたの?また沙也加に何かされた?」
沙也加…。
直孝の元カノ。
受け止めなきゃ。
頑張って受け止めよう。