透明にんげん。



何故彼女頬に僕の水が乗っているんだ。



僕は透明なんだ。
存在してないんだ。



恐る恐る彼女の頬を撫でる。




すり抜け、ない。



えっ?は?
何故だ?

でも嬉しい。
暖かい。



愛おしい。






「………あぁ。やっと見えた。」




彼女は笑った。




そして、力を失った。





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