ちぇりぃ★〜姉と弟の恋模様〜
「弟じゃ、不満?」


欲張りのオレが顔を出す。


ダメだってわかってるのに。


「不満…じゃないけど」


「ふーん。高2にもなる乙女がカレシもいないし、アレか。欲求不満?」


「そんなんじゃないっ」


「そ?何なら…今日1日、オレがカレシ役になってやろうか?」


目を大きくしてマジマジとオレを見上げる果夜。


ヤベ…。


つい調子に乗って口が滑ったと思っても、後の祭り。


「ホン…ト?」


「?」


「今日、蒼斗、あたしのカレシになってくれるの?」


一瞬迷った。


自分から言い出したんだから、
「なーんつって、冗談!」
なんて、笑い飛ばす事もできるだろうが、果夜の透き通った目を見ていると。


自制心が効かない。


「OK。じゃ、今から姉弟の“カレカノごっこ”なっ」


「うんっ♪」


この日一番の笑顔の果夜を見て、もうオレMAX!!


果夜の細く白い手を強く握った。

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