ちぇりぃ★〜姉と弟の恋模様〜
「姉ちゃん、早くしようぜ」


素っ気なく言って、茶の間に鞄と買ったお揃いの腕時計。


キッチンに行き、スーパーのビニール袋を置いた。


まだ果夜は家の外に立ったままだ。


まるで。


拗ねた子供のように。


「姉ちゃん、腹減ったー。手伝うから晩メシ作ろうぜ?」


「うん…」


ようやく果夜も家に入り、キッチンに立った。


メシを作るのに、オレはさっきまで強く握り締めていた手を洗えずに、グリルに鮭を投入した。


「味噌汁、姉ちゃん頼むよ。ナメコと豆腐、な?」


果夜は何も言わず支度にとりかかる。


オレはダイニングの小さなテーブルにつき、慣れた手つきでメシを作る果夜の後ろ姿を眺めていた。
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