ちぇりぃ★〜姉と弟の恋模様〜
「…部。日下部!!」
───ツン、ツン
「オイ、蒼斗ッ」
背中をつつかれて恭平の指の先を追うと、化学の永盛が黒板を指差し、オレを睨んでいた。
「日下部。どうもいつもに増して今日は授業に身が入らんようだな?」
「あ…アハハ。嫌だな、先生。オレってホラ、教科書が読書並に好きなモンだから、つい見入っちゃって…」
「そうか。日下部が教科書を逆さまにして読むほどの読書好きだったとはな。じゃあ、さっきの問、簡単に答えられるな?」
「あ…えっと…。ミトコンドリア???」
クラス中に笑いが起こる。
「生物の問なら正解と言いたいところだが、今は化学だッ。もういい、後ろ答えろ」
恭平がオレを御愁傷様とばかりに首をすくめて、すんなり永盛の問に答えた。
はぁ…。
なんだかな。
《チェリー》の活動のせいで授業も遅れがちな上に、この始末。
都内でも有数の進学校だ、落ちこぼれるのも時間の問題かも、な。
残りの時間、懸命にノートを取りながら、終業のチャイムを待った。
───ツン、ツン
「オイ、蒼斗ッ」
背中をつつかれて恭平の指の先を追うと、化学の永盛が黒板を指差し、オレを睨んでいた。
「日下部。どうもいつもに増して今日は授業に身が入らんようだな?」
「あ…アハハ。嫌だな、先生。オレってホラ、教科書が読書並に好きなモンだから、つい見入っちゃって…」
「そうか。日下部が教科書を逆さまにして読むほどの読書好きだったとはな。じゃあ、さっきの問、簡単に答えられるな?」
「あ…えっと…。ミトコンドリア???」
クラス中に笑いが起こる。
「生物の問なら正解と言いたいところだが、今は化学だッ。もういい、後ろ答えろ」
恭平がオレを御愁傷様とばかりに首をすくめて、すんなり永盛の問に答えた。
はぁ…。
なんだかな。
《チェリー》の活動のせいで授業も遅れがちな上に、この始末。
都内でも有数の進学校だ、落ちこぼれるのも時間の問題かも、な。
残りの時間、懸命にノートを取りながら、終業のチャイムを待った。