ちぇりぃ★〜姉と弟の恋模様〜
───キーンコーンカーンコーン


オレは、


「恭平、悪りぃ、鞄頼むっ。今度埋め合わせするから!」


とだけ言い残し、2階の果夜のクラスへ向かった。


今朝もまだ、沈んだままだった果夜の表情をほっとけない。


2一C


長い髪を垂らした果夜の後ろ姿を見つけ、机の脇に立つ。


「あ、蒼斗!」


「オスッ!果夜、帰ろうぜ」


「どうしたの?HR、まだでしょ?」


「いいから、いいから」


急き立て鞄の中に適当に教科書を詰め、戸惑う果夜と一緒に学校を出た。
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