ちぇりぃ★〜姉と弟の恋模様〜
果夜は何も言わずに、半歩後ろを歩く。


思いつきでいささか強引だが、


「果夜、今日一緒に仕事行かね?」


と、切り出してみた。


「仕事って…《チェリー》の?」


「うん。見てるだけだからつまんねーかもしんないけど、家で1人ってのもナンだろ?」


「でも…。いいのかな…」


「アオイちゃんの女友達なら、恭平みたくじゃまになんねーって。な?」


「じゃあ…、うん…。アオイちゃんの友達!」


やっといつもの笑顔を取り戻した果夜を見て、安心した。


やっぱ、な?


家で1人じゃ、淋しいんだよ。


これからは、こうして時々仕事に連れ出そう。


オレのアオイちゃん女装を見せて笑わせよう。


弟のオレにできるのは。


…それが限界だ。
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