ちぇりぃ★〜姉と弟の恋模様〜
「あー、今日もフリフリ衣装かぁ!」


大袈裟に言ってみせると、


「蒼斗、似合ってるからいいじゃない?」


クスッと笑って、長い髪を風に泳がせた。


移動はいつものように電車と徒歩だけど、昨日の“カレカノごっこ”が思い出されて、つないでいたはずの右手がうずく。


けど、昨日の事は口に出さない。


また淋しい思いはさせたくないから。


事務所に着き、裏口から階段を使って人のいない事を確認して、5階、《チェリー》専用の控え室に入る。


「なんかスリルあるね?」


と、果夜は笑うけど、オレ的にはガチなんだけど、な…アハハ…。


「バレれば、家族共に路頭に迷う事になるわよ」


って脅しに、今でもビクビクだ。


オレは《チェリー》のアオイちゃんでなければならない。
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