ちぇりぃ★〜姉と弟の恋模様〜
「日下部 蒼斗として、俳優をやってもらう」


「…へ?」


「《チェリー》も続けてもらうが、いつまでもアオイちゃんはしてられない。身長も伸びるだろうし、体型も変わるだろうからな。でも、だからといって、事務所を辞めてもらうわけにもいかない。君達は商品だ、我々も投資している。それで、だ。《チェリー》を続けつつ、実力派俳優としての下積み、まずは深夜帯にやるドラマ“捨て猫にパン”の主演女優、和島 真琴の同級生役、平野 陣をやってもらいたい」


「俳優…」


「そうだ。ちょうど知り合いが監督をやる作品でね。ウチの若手無名俳優を1人貸してほしいって話があったんだ。それをアオイ、君がやるんだ」


「でもオレ…。バレませんか、ね…?」


「その点なら心配ないさ。君はアオイとして立派に二重芸能人をやってるじゃないか。《チェリー》が流行りだして、学校でアオイだと指摘とれた事はあったか?」


「ナイ…ですけど」


「この交換条件がのめるんなら、今回の蒔多とのスクープは目をつむろう」


「わかりました。やらせていただきます」


「柏木くんも、これでいいね?」


「社長がそうおっしゃるのなら…」


「ヨシ、決まりだ。さぁ、今日はもう遅い。明日の予定は?」


「明日の《チェリー》はオフです」


「そうか。ゆっくり休むといい。帰っていいぞ」


「社長、ありがとうございますっ!」


「私が送るわ」


「柏木さんも、今日1日気を揉ませて申し訳ありませんでした」


「佑季とアリエルにはオフ明けに一言言っておいてね。さ、行きましょ」
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