ちぇりぃ★〜姉と弟の恋模様〜
向かう先は、看護師の母さんが勤めている病院。


さっきまで戸籍のコピーはどうするつもりもなかったが、やっぱり事実を知りたい。


家からそう遠くない病院に着くと、救急の入り口から、真っ直ぐ母さんのいる小児病棟へ向かった。


ナースステーションに母さんはいなく、薄暗い1階の受付でしばらく時間を潰し、消灯のアナウンスが流れたのを見計らってケータイを鳴らした。


『もしもし、蒼斗?』


「母さん、少しでいい、時間ない?」


『大丈夫よ、どうしたの?』


「今、病院にいるんだ」


『えっ!?ここに?どうしたのよ?急用?どこか具合でも悪いの?』


「じゃなくて話。1階の受付にいるから」


『わかったわ。すぐ降りるから、待ってて』


通話が切れて、すぐに母さんが来た。


なのに。


なかなか本題を切り出せない。
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