いつか あの星のように…

「あ、帰る時間とか大丈夫か?」
今はもう、9時半を回っていた。
「まだ帰らない。何時まで帰れとか決まってないし、どうせ帰っても、だだ誰もいないから。それに私星好きだから…♪」

本当はここであなたが『好き』って伝えたかった。
率直にいうのはまだ無理に決まってる。
それ程、私は強くないから。
例えにしてしまうけど、私の精一杯の気持ちがこれだった。

「星……?」
彼は不思議そうに私の顔を見てから、星空を見上げた。
「うん。星。星ってさ、何万年も何億年も、輝いてるでしょ?何のために輝いてると思う?」
「それは……。」
彼は、少し考えてから、また再び空を見上げた。
「私ね、きっと星は誰かのために、なんかのために、輝いてるって思うんだよね。じゃなかったらさ、星から勇気貰う人なんていないと思うんだよね、」
「……?」
彼は私の話を、まじまじと真剣に聞いていた。
「私は星に、毎日勇気貰ってる。そんな人は、世界で私しかいないかもしれないけど、でも私も、1人でもいいから誰かの支えになれるような、誰かのために輝き続けられる人になりたいって思ってさ♪」

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