いつか
あの星のように…
私はもう限界でフラフラのまま家へ帰った。
ガチャン……
奥から母が私の帰りに気づいて駆け寄ってきた。
「あ、ただぃ…」
ペシッ──!!
頬に痛みが走る。
何が起きたか解らなかった。
『ビンタ』。
母からの初めてのビンタだったけどでもなにも感じられなかった。
ただ「痛い」…それだけで。
「なんで何日も帰ってこなかったの?お母さん心配したのよ?まだ中学生なんだから、体でも壊したらどうすんのよ!」
…??
意味が分からないよ。
「今更、母親面なんかしないでよ。あんたがいたせいで私どんな思いしてるかも知らないくせに…!!私がなんで家に帰らなかったか…、解ってんの?!だいたいさぁ…──」
「菜摘、もういいよ」
「なにがいいの?なにも理解してないじゃん」
「いや、ママが悪かった」
「本当は悪いなんか思って心の底から思ったないくせに」
母は黙り込んだ。
下を向き、眉間にしわを寄せて、唇を噛みしめている。
惨めな姿。
私は再び母を強く睨んだ。そして…
バタン─!!
自分の部屋の戸を思いっきり閉めた。