キミに捧ぐⅡ
「朝から…好きな人と一緒にいられることがこんなにうれしいなんて思ってもいなかった」
「……」
それは私も同じだよ…
「だから、幸せすぎて…少し怖い」
「……………私は怖くないよ。」
「なんで?」
「だって…こんなに幸せだもん。
他のことなんて考えられない」
「………あぁ…そうか…そうだな。」
少しは納得してくれたみたいで、さっき一瞬だけ強ばった顔が嘘のように笑顔に変わった。
「俺さ、自分自身を抑えられない。」
「どういう意味?」
感情的になりやすいってこと?
でも怒ってるところをみたことは「きすしたい。」
…ない。
そんなかわいい顔で言うの!?
じゃなくて。
「それは………抑える必要ないじゃないですか。」
なんか敬語でこんなこと言っちゃって。
案外大胆かもしれない。
片手を私の頬に添えた悠真さんは優しく優しく、キスをした。
やっぱり嘘。
私も怖いよ…悠真さん……
こうした幸せのカケラが心を埋めていく度に、怖さとか負の感情も積み上がるよう。