キミに捧ぐⅡ
「見んなよ…イイトコだったのに、な?」
悠真さんに抱きしめられたから。
しかも私の耳近くで甘い声が聞こえてきて……
「イ、イイイトコロ!?!?」
冷静に否定すればいいものを……かなり動揺してしまった。
「それはそれは。
…余裕ぶってるけど悠真も顔赤かったしな。説得力あるわー」
「…………………」
「そ、そうなの?」
とても気になる私。
悠真さんの顔を見ようとするも、ガッチリ固定されて動かせない。
む…
「黙れよ颯大」
たぶん表情は真面目なんだろうけど…声的には、どうなんだろ。
でも颯兄ちゃんは笑ってる。
うん、絶対に。