私だけを見て…


帰り道、重い空気から少しでも逃れようと、先輩の2メートル程後ろを歩いていた


「お前、」


「はいっ」


いきなり声をかけられ、予想以上に大きな声で返事をしてしまった


「そんなに後ろにいたら、送っている意味が無い」


「すいません」


少し早歩きになって先輩に近づいた


先輩まであと1メートル


「まだ前だ」


私が先輩の横に来たところで、先輩はまた歩き出した



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