私だけを見て…
もう近くにはいないかもしれない
もし聞こえたとしても、来てくれないかもしれない
だけど、とっさに出た言葉は先輩を呼ぶものだった
「くっそ」
噛まれた手をかばい、反対の手で私の口を押さえてくる
他の男も私が暴れないように体を押さえつけている
その時、ふと体が軽くなった
近くにはさっきまで私を押さえつけていた男が倒れていた
次々と自由になっていく体
そのたびに増えていく倒れた男たちの数
やっぱり来てくれた…
先輩が…
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