白緑蝶"Ice green butterfly
時に、凶器と化す筋肉のついた
真澄の腕・・・

その腕に優しく抱きしめられて
眠りにつく夜は、自然と嫌な事
の全てを、私は忘れる事が
できた。

どんなに暴力を振るわれても
その腕に包まれて眠れば
嫌な夢を見なくて済んだ。

「ねえ、マスミ
 
 お姉ちゃん達のように
 私達もなれるかなぁ」

「ああ、俺がおまえを
 幸せにしてやる」

嘘つきな男、暴力的な男
弱虫な男

でも、真澄は私を愛してくれた

少し壊れた愛だったけど虚しい
気持ちなんて知ることのない
くらい、私だけを愛してくれた

真実の愛が、確かにあった。
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