白緑蝶"Ice green butterfly
私が、真澄の事を忘れかけた頃
かっちゃんが、ポツリと独り言
を言った。

「マスミのやつ、野良猫拾って
 一緒に暮らしてるらしい

 猫の名前、ヒワだってさ
 ほんと・・・」

かっちゃんの声に被さるのは
私の声。

「ほんと、バカなやつ」

私と、かっちゃんは顔を
見合わせて笑った。

そして、現在・・・・・・

「幾ら、幼かったとは言え
 女に暴力を振るい
 おまえを傷つけ怖がらせて
 おまえを俺だけのものに
 したくて、ひどく束縛した

 俺の愛は間違っていた
 おまえを好きすぎて
 どうにかなってた」

『おまえを好きすぎて』

ほらっ、確かに愛があった。

私は、真澄に深く愛されている
そう自信があったから、真澄の
暴力にも耐えられた。
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