白緑蝶"Ice green butterfly
恋し時

秘密のキス

遮光カーテンが引かれた
真っ暗な部屋・・・

眠気を誘う。

空は、大きな欠伸をひとつ
した後、枕に顔を埋め
そのまま眠る。

昨夜・・・

着替えを済ませ、上着を纏った
空は、眠るユラを覗きこみ
青白い頬に指先で触れた。

「つめてぇ」

空は、その手をユラの唇に
そっと、近づけた。

「生きてるよな?」

吐く息が、掌にあたる。

今度は、耳を近づけて
ユラの静かな寝息を聞く。

ベッドに、腰を降ろした空は
上着を脱ぎ、床に置いた。

そして、ユラの頭を優しく
撫でてあげる。
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