白緑蝶"Ice green butterfly
「ごめん

 つまんねえこと
 言いすぎた」

真澄に摑まれたままの左腕

真澄の空いてる方の手が私
の頬に触れようと伸びた。

触れる・・・

私の体は、拒否反応を示し
ビクッと震える。

「ビクついてんじゃねえよ
 
 安心しろ

 触れないから・・・」

私の腕を握り締める真澄の手
が解けた。

真澄が、その手をあげると
タクシーが停まる。

「マスミ?」

「ほらっ、行けよ
 待たせてるんだろう?」
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