白緑蝶"Ice green butterfly
「でも?」

「ヒワが大丈夫なら
 それでいい・・・」

真澄に背を押され、真澄の
声を聞きながら私はタクシー
に乗り込んだ。

「・・・
 おまえ、体調悪くなると
 すぐ泣き出すじゃん
 一人で泣いてるんじゃないか
 そう思って飛んできて見たら
 
 けろっとして男に会いに行く
 お前見て、苛ついただけ

 怖がらせて悪かったな
 じゃあな

 運転手さん、後、ヨロシク」

閉まるドア

「・・・までお願いします」

真澄の寂しそうな背中を
私は見つめる。

走り出すタクシー。
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