白緑蝶"Ice green butterfly
モニターは、真っ黒で
誰も映っていない。

客人はもう、ドアの前まで
来ているようだった。

「誰だ、マネージャーか? 

 はい」

貴方は、受話器を耳から
遠ざけた。

受話器から洩れる女性の声は
とても不機嫌な感じがした。

「今すぐ開けて、早くして」

受話器を置いた貴方は
首を傾げてる。

「お客さん、誰?」

「ケイトだ

 ひどく動揺してる」

「彼女がここに何の用なの?」

「さあ、取り敢えず
 話を聞いてみる」
 
「ここで?
 
 私、どうしよう?」
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