白緑蝶"Ice green butterfly
「お前が望むなら
 植物は、全て破棄する
 つもりだ」

「そんな、ダメだよ
 
 そんなことしちゃ
 かわいそうだよ」

「おまえなら
 そう言うと思った

 どうする?

 誰かに譲る?」

「ねえ、ソラ
 
 今は、それどころじゃないよ

 ソラ?」

雨の中、私を抱きしめる
ソラ。

「あったけぇ」

「本当、温かいね

 ソラ、言ってくれる

 本当は私、言ってほしいの
 
 あなたに」

私を思いっきり強く抱きしめて
貴方は、雨音よりも大きな声で
告げてくれた。
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