白緑蝶"Ice green butterfly
「セナが俺の声に惚れてる
 って話」

「そうだったの?」

「まあな
 そういうことにしとくか」

他愛の無い話をしながら
酒を飲み、時間は過ぎる。

話の内容は音楽の話に移る。

二人の音楽性の違いが原因で
バンド『ソレイロリア』は
表向き解散した事になっては
いるが本当は違う。

二人の音楽と向き合う姿勢は
今も昔も変わらず似通っていて
音楽に全く関心の無い人が
聞いていればくだらない話でも
二人は何時間も語り合う事が
できる。

ああでもない、こうでもないと
二人は酒を片手に話す。

卯月は、そんな二人をずっと
見つめ続け、呟いた。
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