白緑蝶"Ice green butterfly
ゆっくりと目を閉じる、空。

空は今日のライブに集中したい
のに、できずにいた。

それは、ある思いが邪魔をする

昨夜、公演後のことを思います

「お疲れ様です
 
 ソラさん、今日は
 このままホテルに・・・」

「ごめん
 やっぱ、帰ってもいい?」

「えっ」

「ダメ?」

「いえっ」

「じゃあ、決まり
 家まで送って」

マネージャーと廊下を並んで
歩く空を呼びとめる声。

「ソラ、待って」

その声の主は、卯月。

今日も彼女は、空のライブを
見に来ていた。
< 755 / 999 >

この作品をシェア

pagetop