白緑蝶"Ice green butterfly
『誰にも
 あげないでね』

「ユラ?」

私の左腕に触れるソラの手を
強く振りほどく、私。

「わたしの曲じゃない・・・
 
 イラないから
 貴女にあげる」

「ユラ?
 おまえ、何言ってる
 
 あの曲は、おまえの為に
 ・・・」

「じゃあ、聞かせて

 どうして、彼女が持ってて
 私は、持ってないの・・・」

「それは・・・」

私は両手をうけて空っぽの
掌を、ソラに見せた。

「贈り物、どこにあるの?
  
 どこにもない」
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