白緑蝶"Ice green butterfly
『もう、忘れんなよ
 入れなくなるぞ』

『うん、忘れないよ』

「忘れてんじゃん
 
 戻って来れない・・・」

ユラが、ここへは二度と
戻ってこないことを、空は
知っている。

ユラには、合鍵はもう
必要無い。

ユラの鍵を取ろうとした
空の瞳に映るのは
バードゲージに飾られた
天使の涙。

その葉を見つめるユラの
悲しい瞳を思い出した空は
バードゲージごと、天使の涙
を床に叩きつけた。

ガシャン・・・

ゲージの中、鉢は割れ
土はそこら中に撒きちる。
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