白緑蝶"Ice green butterfly
湊は、瀬名の手を引き立たせた

「セナ、おまえは本当
 バカなやつだ

 だけど、俺達はおまえを
 憎めない

 ソラ
 おまえもそうだろう?」

「ああ、おまえがウズキを
 心から愛している事を
 俺が一番知ってる・・・

 おまえに憎まれても
 おまえを憎むことなど
 俺にはできない

 ただ俺は、おまえの仕打ちに
 傷ついただろう、ユラに
 気づいてやることができな
 かった、そのことを悔いて
 いるだけだ」

「ソラ・・・」

不甲斐ない自分自身を・・・

ユラ・・・

おまえはどれだけ傷ついた。

ユラの左腕の傷痕に口づける
いつかのソラの姿・・・

キスを落とす時、おまえは
ビクッと体を硬直させる。

おまえは

どんなに怯えただろう。
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