白緑蝶"Ice green butterfly
本当は、二年経っても
逢いたい想いは募るばかり

その想いを抱えて
生きてるのがやっと・・・

これを機に、そこから
抜け出せるかもしれない。

私は今、会場内の座席に
腰を下ろし空を見上げてる。

「ヒワ、寒くない?」

ピンク色の七部丈のシャツ
にジーンズ姿の私。

「うん、大丈夫
 
 9月も半ばなのに
 まだ、暑いね

 えっ、何?」

ひとつにまとめた私の髪を
解いたのは、咲。

「これ、持ってて
 貸したげる
 
 ほらっ
 そっち向いて梳いて
 あげるから」

咲から預かったのは
薄い緑色の蝶の髪留め。
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