白緑蝶"Ice green butterfly
私の瞳に、また涙が溢れる。

「・・・・・・」

何も言えない私。

貴方に近づいて、こんな所に
まで来てしまった自分自身を
私は責めた。

ソラを、こんなにも
苦しめて・・・

貴方を抱きしめる私の手を解き
貴方は言葉を続ける。

「何てな・・・
 
 俺、マジ、痛くねぇ?
 
 ユラ、全部
 おまえのせいだ」

そう言って、貴方は右側の
口角をあげて冷笑してみせた。

「ごめん、なさい」

俯き涙を流す、私の頭を
コツンと優しく叩く、ソラ。

「謝るな」

『それなら、もう・・・』

もう、逢わない方がいい。

その言葉を言えない。
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