白緑蝶"Ice green butterfly
私は出ていた椅子に足を取られ
後ろ向きに倒れそうになる。

「ユラ、危ない」

貴方が差し出した腕を掴んだ
まま、私は尻もちをついてた。

「ほんと
 危なっかしい奴

 立てるか?」

繋いだ手

温かい・・・

貴方が引き寄せる手を
気づけば私も引いてた。

綱引きのように何度か
繰り返される。

「何、してんの?」

「今夜は帰りたくない
 
 だめ?」

「駄目だ、ほらっ立て」

「帰っても・・・
 ソラ、いないもん」
< 922 / 999 >

この作品をシェア

pagetop