白緑蝶"Ice green butterfly
別れ際、卯月は前開きで羽織る
空のコート、その胸元をぎゅっ
と引っ張り、前かがみになった
空の唇に口づける。

離れる唇・・・

「さよなら」

手の甲で瞳を拭い、卯月は
歩いて行く。

さよなら・・・

空は、心の中でそう呟き
エレベーターに乗り込んだ。

振り返った卯月は、もうそこ
には、愛する空の姿は無い事
を知る。

歩き出す卯月は瀬名とぶつかる

「シゲキ、今のキス見てたの?
 あれは・・・」

「ウズキ、頑張れよ」

卯月の肩を二度叩いた瀬名。

「セナ、待たせたな、行くぞ」

「ああ」

瀬名は、仲間達とその場を去る
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