ウルトラスマイルを君に

 本当はずっと中学校の頃から、修太は鈴奈に恋をしていた。

しかし中学校2年生の冬。
鈴奈に初めての彼氏ができたとき。
修太は鈴奈のことをあきらめようと決めた。

鈴奈と修太は幼なじみ。
それ以上でも、それ以下でも、ない。


「ほら、ここみてよ!お母さんたらペン投げてきてさ〜。ぶつかる!と思ってよけたら腕に当たって。傷になっちゃったよも〜。」

また困ったような笑顔で絆創膏をはがす鈴奈。

「取るなって。治らなくなるぞ。」

「そうだよね〜。ああ、ほんと嫌になっちゃう。家出しちゃおっかな〜。」

笑いながら言う鈴奈。
『家出したい』
鈴奈の最近の口癖。

修太は知っていた。
最近は学校でもうまくいってないらしい。

修太と同じ高校に通う先輩が鈴奈に一目惚れをして、彼女と別れたらしいが、その彼女が鈴奈のクラスメイトだったらしく、
その子のグループから嫌がらせをうけていた、というのを噂で聞いた。

「まだ、学校でなんかあるのか?」

修太が心配をして聞いても鈴奈はいつも

「もう大丈夫なんだけどさ〜、なんか違うんだよね。なんていうかさ、空気が嫌っていうか。」

と、また笑いながら答える。

しかし今日は違った。
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