ウォルフとワタシ

涙を益々流し始める私を見て、ウォルフからまた同じような溜め息が吐き出される。



「‥お前が好きだ」






――‥え‥?




いま、


なんて‥




顔を上げる私の頬を、ウォルフの珍しく静かな指先がゆっくりと何度もなぞる。




「護ってやる」

「ウォル‥フ‥?」



待って、

もう一回言って‥‥‥



「俺の傍に居ろよ」

「ウォルフ、もう一回‥」


呆然とする私を見て、ウォルフが酷く優しげに笑う。


< 16 / 20 >

この作品をシェア

pagetop