彼岸と此岸の狭間にて
新宿で鰻を食べてから見せ物小屋や小間物屋などを覗いて歩く。
「これなんかお似合いだと思いますよ」
「じゃあ、それ貰うよ」
葵は店主から『りんどうの髪挿(かんざし)』を受け取ると、雪乃の髪の前方から挿し入れる。
「うん、とっても綺麗です」
「ありがとうございます」
顔を赤らめる雪乃。
「雪乃殿、綾野とお子達の物を選んで下さい」
少し驚いた様子ではあったが素直に髪挿を選び出す。
「ありがとうございました」
小間物屋を後にして歩き出す。
「綾野様もきっとお喜びになります!」
「それは良かった」
「葵様は本当にお心がお優しくて……」
「ははははっ、照れるなあ…」
楽しい時間が過ぎるのは早いもの。気付けば、もう日が西に傾き掛けていた。
「遅くなるのも綾野達に心配を掛けますから、ゆっくりと帰りましょう!?」
足を原宿に向ける。
「雪乃殿…」
「はいっ…!?」
「山中殿の事についてなんですが、何か聞いてますか?」
「いえ、兄は仕事の事については一切話しませぬので…」
「これなんかお似合いだと思いますよ」
「じゃあ、それ貰うよ」
葵は店主から『りんどうの髪挿(かんざし)』を受け取ると、雪乃の髪の前方から挿し入れる。
「うん、とっても綺麗です」
「ありがとうございます」
顔を赤らめる雪乃。
「雪乃殿、綾野とお子達の物を選んで下さい」
少し驚いた様子ではあったが素直に髪挿を選び出す。
「ありがとうございました」
小間物屋を後にして歩き出す。
「綾野様もきっとお喜びになります!」
「それは良かった」
「葵様は本当にお心がお優しくて……」
「ははははっ、照れるなあ…」
楽しい時間が過ぎるのは早いもの。気付けば、もう日が西に傾き掛けていた。
「遅くなるのも綾野達に心配を掛けますから、ゆっくりと帰りましょう!?」
足を原宿に向ける。
「雪乃殿…」
「はいっ…!?」
「山中殿の事についてなんですが、何か聞いてますか?」
「いえ、兄は仕事の事については一切話しませぬので…」