彼岸と此岸の狭間にて
幸恵と雪乃を送り届け、綾野に世話を頼んで三日目の朝に大月方面に旅立つ。
(馬に乗れればもっと早いんだろうけど、乗った事がないし…)
甲州街道はもう経験済みだったので幾分は早く移動する事が出来た。
(山中殿はどの辺まで行っただろうか?)
江戸を立って4日目に小仏関で通行審査を受ける為に順番を待っていると、前に並んでいる商人が二日の大月近辺での事件について話しているのが聞こえてきた。
「凄かったらしいね!?」
「うん、全員殺された!」
「全員って?」
「『佐衛門』というお棚の主人を含めて7人!」
(佐衛門殿も殺されたのか!?)
「何人で?」
「見ていた人の話によると2人らしい。あっという間だったってよ!?」
「荷は?」
「詳しくは知らないけど『軍用金』らしい」
「軍用金か!?いくらあったんだろう?」
「何でも五千両とか壱万両とか言われている」
「へえ〜っ、物凄い大金!!」
(これが山中殿が言っていた事か!?)
葵は菱山達の情報収集をすることにする。
「あの〜っ、その襲った二人組の事で何か聞いてませんか?」
「えっ!?」
葵の唐突な質問にその商人達は少し驚いて後ろを振り返る。
(馬に乗れればもっと早いんだろうけど、乗った事がないし…)
甲州街道はもう経験済みだったので幾分は早く移動する事が出来た。
(山中殿はどの辺まで行っただろうか?)
江戸を立って4日目に小仏関で通行審査を受ける為に順番を待っていると、前に並んでいる商人が二日の大月近辺での事件について話しているのが聞こえてきた。
「凄かったらしいね!?」
「うん、全員殺された!」
「全員って?」
「『佐衛門』というお棚の主人を含めて7人!」
(佐衛門殿も殺されたのか!?)
「何人で?」
「見ていた人の話によると2人らしい。あっという間だったってよ!?」
「荷は?」
「詳しくは知らないけど『軍用金』らしい」
「軍用金か!?いくらあったんだろう?」
「何でも五千両とか壱万両とか言われている」
「へえ〜っ、物凄い大金!!」
(これが山中殿が言っていた事か!?)
葵は菱山達の情報収集をすることにする。
「あの〜っ、その襲った二人組の事で何か聞いてませんか?」
「えっ!?」
葵の唐突な質問にその商人達は少し驚いて後ろを振り返る。