彼岸と此岸の狭間にて

【エピローグ】

月曜の朝の教室は騒がしい。二日振りに級友に会うからだ。その騒々しさを沈めるのが先生の登場！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
教室の前のドアが『ガラッ』と開いて、担任の先生が入って来ると騒々しかった教室内も『平静』という秩序を取り戻す。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
「さあ、入って！」　　　　　　　　　　　　　　　
そして、転校生の登場ともなればその静けさは好奇の目も手伝ってクライマックスを迎える。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
女の担任の先生の隣に背の高い可愛いらしい男の子が立っている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
「今度、目黒の小学校から転校して来た『紫馬君』です。みんな、仲良くするように！！じゃあ、紫馬君、挨拶を！」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
少し、緊張はしているものの大きな声で話し出す。　　　　　　　　　　　　　
「今度、目黒の小学校から転校してきました『紫馬葵』と言います。よろしくお願いします」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
言い終えて一礼すると、どこからともなく拍手が沸き起こる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
「じゃあ、山中君の隣の席に…」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
葵はランドセルを持って手を挙げている山中の隣の席に歩いて行って座る。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

「僕、山中光太郎、よろしく！」

「俺、赤沢亮、よろしくな！」

「私、土門香澄、よろしくね！」

「紫馬葵です。よろしく！」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
山中が葵に尋ねる。　　　　　　　　　　　　　　　
「紫馬君の趣味って何？」　　　　　　　　　　　　




「う〜ん………

夢の中で『生きる事』かな！？」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
そう言って『にやり』と笑った。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【オシマイ】