Rose of blood
驚いて思わず体を離してしまった。



「えっ!?じゃあ薬を飲んでるの?」

『驚いた、薬の事を知ってると思わなかったよ。でも薬も飲んでない』



薬も……飲んでない!?


……どうして。



『そんなに不安そうな顔をしないで』

「だって……」



私を安心させるようにそっと頭を撫でてくれるシエル。



『あの薬は元々混血がむやみに人を襲わないようにする為に作られたんだ。だからか俺は体に合わなくてね』



だったらどうして血を吸うのを止めてしまったの?


だから最近疲れた顔をしてたんだね。


それなのに私の為に笑顔を向けてくれる。






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