Rose of blood
私は本当に子供だ。


涙がボロボロと零れ落ちる。


泣いたってどうしようもないのに止めようと思えば思う程、涙は次々と頬を伝い零れ落ちていった。



「……私じゃダメなの?」

『えっ?』

「私の血じゃ……シエルの渇きを癒してあげられないの?」



シエルは少し戸惑った顔をしたが、すぐに真剣な顔付きになった。


私の顔に手を添えて、目をとらえる。


怖いくらい真剣な眼差しに私は息を飲んだ。


私なんかの血じゃ役に立たないかもしれない。


だけど少しでも足しになるなら喜んでシエルにあげたいと思った。






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