Rose of blood
『瑠花、自分が何を言ってるのか分かってるの?』

「分かってる」

『分かってない!!』



シャンデリアが割れ部屋が暗くなる。


明かりは窓から射し込む月明かりだけ。


シエルの金色の髪の毛に月明かりがあたり、こんな状況にも関わらずキラキラしていてとても綺麗だと思った。



『首筋に牙を立てられた人間は脅え、震え、声も出ないほどの恐怖にかられる』



顔付きは厳しいがシエルの目は辛そうだった。


体が辛い筈なのに、自分の為に辛い顔をする事のないシエル。



『瑠花にそんな思いはさせたくない』



どうしてそこまでして私の心を優先してくれるの?


そう思いながらも、私いつだって自分の事よりもシエルの事を第一に考えているかもしれないと思った。






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