Rose of blood
胸が苦しくて、呼吸も乱れその場に立っていられなかった。



「ハァハァ……ハァッッ……ッッ」



私はしゃがみこみなんとか体を落ち着かせようとした。


何、なの……。


なんだか喉が渇く感じもする。


喉の奧に変な違和感を感じる。


時間が経つにつれ、なんとか呼吸も整い胸の鼓動もおさまり安心した。



「今の……何だったんだろう……」



外の空気でも吸って気分を変えよう。


私は窓を開け外の空気を思いっきり体の中に取り入れた。


あれ……?


シエル?


窓から見下ろす先には、知らない女性と向かい合うように立っているシエルがいた。






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