Rose of blood
私は今ある部屋の扉の前で足を止めている。


ラキに連れてきてもらったのはいいが、中々ノックできないでいる。


どのくらいの時間、目の前の扉を見詰めているだろうか……。


ここまで来て怖くてノックできないなんて情けない。


自分と葛藤していると突然目の前のドアが開いた。



『ずっとそこに立ってるつもり?』

「あっ……えっと……すみません」

『どうぞ、中に入って』



部屋の中に案内され、私はソファーに腰をおろした。



『シエルは知ってるの?ここに来ること』

「……いいえ」



私は写真の事を聞きたくてジョシュさんの部屋を訪れた。


シエルと付き合いの長いジョシュさんなら、写真の女性の事を知っているかもしれないと思った。






< 153 / 534 >

この作品をシェア

pagetop