Rose of blood
私は首をふり微笑んだ。



「私は部屋でおとなしくしてる。シエルは私の分まで楽しんできて」

『分かった。出来るだけ早く戻るようにするよ』

「ダメだよ!!シエルの気持ちは嬉しいけど、エメラルディア家主催のパーティーにみんな来るのに、シエルがいなかったらいらした方々に申し訳ないでしょう?」

『全く……瑠花には敵わないな。では当日の様子を見て決めるとするよ』

「うん」



空いている方の手で、まるで子供を寝かし付けるようにポンポンと優しく軽く叩いてくれるシエル。



『眠るまでついているから、ゆっくりお休み』



シエルの言葉に瞼を閉じ、私は安心したのか夢の世界へと吸い込まれるまでそう時間は掛からなかった。






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