Rose of blood
ローズを狙った者たちによってお城は襲われ、民も襲われた。


民はローズを怨んでいるに違いない。


ローズの存在は疫病神でしかないのだから、存在しないほうがいい。


お姫様なんて烏滸がましい。



『ただいま』

「お帰りなさい」

『寝てると思ってた』

「シエルの顔が見たくて頑張って睡魔と戦ってたの」



シエルの優しい香りに包まれそっと目を閉じた。


このままこの愛しい腕の中で消えてしまいたい。



『まだ眠い?』

「ううん、シエルの顔を見たら睡魔はどこかに吹っ飛んじゃったっ」






< 200 / 534 >

この作品をシェア

pagetop