Rose of blood
そういえば瑠花がお城を出たのは湖に行った時だけだなと思った。


自由にさせているつもりだったが、城という籠に閉じ込めてしまっていた。


瑠花を城下町に連れていったらきっとおおはしゃぎだろう。


笑顔で楽しむ瑠花の姿が目に浮かぶ。


想像しただけで笑みが溢れてしまう。



「何を笑ってるの?」

『二人で城下町に行ったら楽しいだろうなと思ってね』

「……そうだね」

『瑠花?』



一瞬浮かない表情になった様な気がした。



「ご、ごめん。少し眠くなってきちゃって……」

『結構話し込んでしまったね。そろそろ寝ようか』

「うん、お休みなさい」

『あぁ、お休み』






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