Rose of blood
なんて事だ……。


瑠花がそんなことを思っていたなんて。



『あの娘は自分の幸せよりもこの国の幸せを選んだ。お前とこの国の幸せを願っていると……最後まで笑顔でな』



瑠花……。


父親の手が離れ俺は壁に沿ってずり落ちた。



『瑠花……る、か…………』



涙が溢れこぼれ落ちる。


瑠花に色んなものをもらった。


なのにッッ!!


俺は何もしてあげられなかった……。


何が一国の王子だッッ!!


好きな女さえ幸せにしてあげられない……なんて無力なんだ……。



『う゛あぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!!!』






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