Rose of blood
国王様に呼ばれ、部屋の前にたどり着いた。


ここに来るまでに城中の照明や窓ガラスが割れた。


胸がざわつき、嫌な予感がする。



『失礼致します』

『ジョシュ、シエルを自室まで連れて行ってくれ』

『……シエル』



そこには頭を両手で抱え、涙を流しながら憔悴しきったシエルが力なく座り込んでいた。


一体何があったんだ……。



『シエル、立てるか?』

『…………』



返事はない。


それどころか何の反応も返ってこない。



『僕も一緒に兄様を部屋まで連れていくよ』

『セリアル……あぁ、そうしてくれると助かる』






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